文化

動物は歯を磨かないのに、なんで人間は?──歯磨きのはじまりと、人間らしさのゆくえ

sol@

こんにちは。Sol@です。

毎日の歯磨き。
朝起きて、夜寝る前に、シャカシャカと。

でもふと思ったんです。

「動物って歯磨きしないよね……?」
「なのに、なんで人間は磨かないと不快になるんだろう?」
「そもそも、いつから磨くようになったの?」

今回はそんな“当たり前すぎて見えなかった問い”を、
ゆっくりコトトコしてみたいと思います🪥


1. 動物はなぜ歯を磨かなくても平気なの?

猫も犬もサルも、歯ブラシなんて持ってません。
野生動物が「歯のケア」をしている様子も、ほとんど見かけませんよね。

でも実は、虫歯や歯周病になる動物もちゃんといるんです。

✅ 動物の歯が健康を保ちやすい理由:

  • 食生活が違う:肉や草など、加工されていない食べ物
  • 噛む回数が少ない:すばやく飲み込むように食べる
  • 唾液の性質:殺菌作用が強く、虫歯菌が繁殖しにくい
  • 歯の寿命=命の寿命:多くの動物は歯が悪くなる前に寿命がくる

🐾 とはいえ……

  • ペット化された犬や猫は虫歯にも歯周病にもなる
  • 「犬の歯磨き」も今では当たり前に推奨されている
    人間と同じような食事をすると“人間の病気”になるってことなんです。

2. じゃあ人間は、なぜ不快に感じるの?

歯を磨かないと、口の中がネバつく・臭う・気持ち悪い……
これって動物にはなさそうな感覚です。

✅ 人間の生活環境が違いすぎる!

  • 食べ物に砂糖が多い(虫歯菌の大好物)
  • 1日3食+おやつで口の中がずっと活動中
  • やわらかいものをよく噛まずに食べる
    → 食べかすや歯垢が溜まりやすく、細菌が繁殖しやすい口内環境になるんです。

さらに、

✅ 「ニオイ」や「不快感」を気にする感覚は、社会性と清潔観念の産物

  • 他人と接する時の印象=「口臭はNG」という文化
  • 「すっきりする=気持ちいい」という経験の積み重ね

→ つまり、「不快に感じるようになった」のは、文化と習慣による学習なんです。

Kototoko Point

結局一日三食って多いの?ちょうどいいの??


3. 歯磨きって、いつからあったの?

実は歯磨きの歴史はとても古いんです!

🏺 古代の歯磨き事情

  • 古代エジプト(紀元前5千年頃)
     → 小枝の先をほぐして歯をこすった「歯木」が登場
  • インド・中国でも類似の習慣が
     → 漢方や塩、香料などで口をすすぐ習慣あり
  • 日本では平安時代から「塩で歯を磨く」文化
     → 江戸時代には「房楊枝(ふさようじ)」という歯ブラシに近い道具も

そして19世紀、近代的な歯ブラシと歯磨き粉が登場して、
20世紀に「口腔ケア=健康」のイメージが強まり、今に至るのです。


4. 歯磨きの「気持ちよさ」はいつ生まれた?

最初は「口臭を抑える」「虫歯を防ぐ」ためだった歯磨き。
でも現代では、「磨かないと気持ち悪い」「シャカシャカしないと落ち着かない」という感覚すら生まれています。

これはつまり、

✅ 歯磨きの“清潔感”や“すっきり感”が、文化として体に染み込んだ証拠

ある意味では、
歯磨きの「快感」すらも“発明された価値観”とも言えるのかもしれません。


5. まとめ:歯磨きは、「文化を受け入れた証」なのかもしれない

  • 動物は磨かなくてもそこまで困らない(でもペットは別)
  • 人間は生活環境・食べ物・社会性の中で「磨く必要」が生まれた
  • 歯磨きは古代から存在し、時代と共に“快適さ”として進化してきた
  • 現代人の「磨かないと不快」は、文化と習慣が作った“新しい感覚”

毎日何気なくしているシャカシャカ。
でもそれは、自然から離れた人間の“新しい本能”かもしれません。

「不快だから磨く」のではなく、
「磨くのが普通だから、不快になる」。
そんな風に、私たちの身体の感覚って、社会と共に進化してきたのかもしれませんね。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました!
それではまた、次のコトトコでお会いしましょう🪥✨

ABOUT ME
Sol@
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彩の国育ち。問いを愛するレザークラフター。
「答え」より「問い」が好きなタイプです。
日常に転がる“なんでだろう?”を集めたブログ「コトトコ」を運営中。
誰かの世界が、ひとつでも広がる問いになりますように。
本が好きで、レザーをいじりながらよく考えごとをしています。
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