科学

電気って……いうほど黄色か?青白くね……?

sol@

こんにちは。Sol@です。

日常生活の中でふと目にする「電気」のイメージ。
電気=⚡黄色の稲妻、そんなビジュアルが定着していませんか?

でも、実際の「放電現象」や「雷」って、青白く光っていますよね。

「あれ?黄色じゃないの……?」

今回は、そんな「イメージの色」と「実際の色」のギャップに着目して、
「どうして電気の色は黄色っぽいイメージになったのか?」という問いを、
ゆるっとコトトコしてみたいと思います!


1. 実際の電気の色って?

まずは科学的な視点から。

雷や静電気の放電は「青白い」

自然の雷や、理科の実験で見る放電現象の多くは「青白い光」を発します。

これは、高電圧によって空気中の分子が電離し、
窒素や酸素が励起されて光を放つから。

  • 酸素:青白い光を出しやすい
  • 窒素:紫〜青みがかった光を出しやすい

つまり、「空気中で発生する電気」は、基本的に青白く光るのが正解なんです。

Kototoko Point

そもそも……「励起(れいき)」ってなんだろう?

Kototoko Point

なぜ“励起された原子”は光を放つの?
その光の“色”って、どう決まるの?


2. 電気=黄色 のイメージはどこから?

ではなぜ、黄色が「電気の色」として定着したのでしょうか?

理由①:視覚的に目立つ色だから

黄色は、人間の目が非常に敏感に反応する色のひとつ。
危険信号や標識、工事看板などでもよく使われます。

つまり、「注意」「危険」「エネルギー」を視覚的に伝えるのに最適な色が黄色だったんですね。

理由②:初期のアニメ・マンガ・ゲーム文化の影響

アニメやゲームの演出において、「雷」はビジュアル的に分かりやすく描かれる必要がありました。

特に昔のメディアでは、背景に対して映える色として「黄色い稲妻」が選ばれやすかった。

  • ピカチュウ(黄色+電気)
  • カミナリ系の技(サンダーボルト、いかずち、など)
  • ゲームのエフェクト(電気=黄色いエフェクト)

こうして、「電気=黄色」は視覚文化の中で記号として定着していったと考えられます。

Kototoko Point

ピカチュウが黄色いのってなぜだろう?

Kototoko Point

黄色は他にどんな“警告色”として使われてる?


3. 電球の光も黄色だった?

もう一つ、イメージを後押しした要因があります。

それは——電球の色です。

白熱電球の登場以降、家庭で使われる光の色は「黄色っぽい光」が主流でした。

これは、フィラメントの加熱によって発光するため、
赤〜オレンジ〜黄色の波長が強くなるから。

つまり、家庭内での「人工の光=黄色」という認識が、
「電気=黄色」のイメージに重なったとも考えられます。


4. 電気の「色」は状況によって変わる?

ここでちょっと視点を変えて。

実は、電気自体には“色”がありません。

私たちが見ているのは、「電気が空気や物質を通るときに発生する光」なんです。

例えば:

  • ネオン管の色は中の気体によって変わる
    (ネオン=赤、アルゴン=青、ヘリウム=黄)
  • プラズマ放電も、使用するガスの種類で色が違う
  • 雷の色も、湿度・気温・大気成分などで微妙に変わる

つまり、“電気の色”は、まわりの環境によって変化する光の副産物なんですね。

Kototoko Point

“電気が色を持たない”ってどういうこと?

Kototoko Point

色は何を見ることで決まっているの?


5. 「イメージの色」と「科学的な色」は違っていていい?

今回の問いの面白さはここにあると思います。

科学的には → 青白い

社会的・文化的には → 黄色っぽい

このギャップをどう考えるか。

たとえば:

  • 火=赤 → 実際の炎は中心が青い
  • 水=青 → 本当の水は透明
  • 光=黄色 → 実際の太陽光は白っぽい

こうした「イメージの色」は、わたしたちが世界をわかりやすく記号化していく中で、
自然と形づくられてきたものなのかもしれません。

そして、その「ズレ」に気づくことが、
世界の見え方を変える“問い”の入り口になるんですね。


6. まとめ

  • 実際の電気(放電)は、空気中では青白く光る
  • 「黄色い電気」は、視覚文化や記号的なイメージから定着した
  • 電球の光やアニメ文化も、黄色の印象を強めた
  • 電気自体には“色”がなく、周囲の物質との相互作用で光る
  • 「イメージの色」と「科学的な色」のズレを楽しむ視点が大切

次に雷を見たとき、
そして「⚡」マークを見たとき、
きっと少しだけ違って見えるはず。

そして、そんな“ちがい”に気づけた瞬間こそが、
新しい問いの始まりなのかもしれません。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

ABOUT ME
Sol@
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彩の国育ち。問いを愛するレザークラフター。
「答え」より「問い」が好きなタイプです。
日常に転がる“なんでだろう?”を集めたブログ「コトトコ」を運営中。
誰かの世界が、ひとつでも広がる問いになりますように。
本が好きで、レザーをいじりながらよく考えごとをしています。
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