文化

なぜ円は360度なの?──数と宇宙をつなぐ、角度のふしぎ

sol@

こんにちは。Sol@です。

角度を測るときに欠かせない“360度”。
でも、ふと思ったんです。

円が360度って、どうして?
100度とか、もっとキリがいい数字でもよくない?

そんな素朴な疑問を入り口に、
今回は「360度」という“当たり前”に隠された、数と宇宙と歴史の関係をコトトコしてみました。


1. 円の角度、なんで360度?

学校で「円は360度」って習いますよね。
でも「なぜ360なの?」って、ちゃんと説明された記憶はありません。

  • 100でもよさそうなのに
  • 1,000でも面白そうなのに
  • なぜか、360……

実はそこには、古代の文化と科学の交差点がありました。


2. 古代バビロニアと60進法

360度のルーツは、古代バビロニア(紀元前2000年ごろ)までさかのぼります。

彼らは「10進法」ではなく、「60進法」という数え方を使っていました。
(現代にも「1時間=60分」「1分=60秒」として残ってます)

→ つまり、60という数にとても親しみがあった文化圏だったのです。

その中で生まれた角度の概念は、
「円=60×6=360」という60進法らしい美しい数字として定着していったと考えられています。

Kototoko Point

なんで60進法なんて使ってたのかな??

Kototoko Point

古代バビロニアがルーツのもの、まだほかにあるかも!


3. 天と時間をつなげた「360日説」

もうひとつの重要なヒントは、「時間」とのつながりです。

バビロニアの天文学者たちは、
太陽の動きを観察し、「1年=約360日」と捉えていました(※現在は約365.25日)。

  • 太陽が1日ごとに1°動くと考えれば、360日で円を一周
  • つまり「円=1年」という感覚!

天体の運行=円運動=360度という、
壮大なスケールでの“数字の一致”が彼らの発想にぴったりだったのです。


4. 実用的にも“最強”な360という数字

360という数字の魅力は、単なる歴史の産物ではないんです。

むしろ、数学的・幾何学的に見てもとても優秀な数。

  • 約数がとにかく多い!(1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 10, 12…)
  • さまざまな角度にきれいに割り切れる
  • 三角形(120°)、六角形(60°)、九角形(40°)……いろんな図形に分割可能

測量や設計、天文観測などにおいて非常に扱いやすいんです。


5. 「100度の円」を目指した人たちもいた!?

実は近代に入ってから、「円を100度で分けよう!」という試みもありました。

特に有名なのが、フランス革命期の“十進化運動”

  • 時間を10時間制に
  • 一週間を10日制に
  • そして角度も「1円=100度」に!

→ ただし……これは普及しませんでした。

なぜなら、

  • 100は割りにくい
  • すでに「60進法ベース」の計測文化が定着していた
  • 科学・工学的に不便だった

結局、実用性に勝る「360度」が残ったというわけです。

Kototoko Point

一週間が10日なら、4日は休みたいよね。


6. まとめ:円が語る、数と宇宙の物語

  • 円が360度なのは、古代バビロニアの「60進法文化」が由来
  • 1年=約360日という天文学的視点が、円の概念と結びついた
  • 360は非常に割りやすく、計測や設計において都合がよい
  • フランス革命期には「100度の円」も検討されたが普及せず
  • 360という数には、歴史・実用性・天文学がすべて詰まっていた

今ではあまりに“当たり前”な「360度」という数字。
でもその背景には、星を見上げていた人々の観察と、
数にこめられた美意識や合理性がしっかりと刻まれていました。

次に円を描くとき、
その中に「宇宙と時間と歴史」が回っていると思うと──
少しだけ、世界の見え方が変わるかもしれません。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました🌀✨
それではまた、次のコトトコでお会いしましょう!

ABOUT ME
Sol@
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彩の国育ち。問いを愛するレザークラフター。
「答え」より「問い」が好きなタイプです。
日常に転がる“なんでだろう?”を集めたブログ「コトトコ」を運営中。
誰かの世界が、ひとつでも広がる問いになりますように。
本が好きで、レザーをいじりながらよく考えごとをしています。
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