Type-Cケーブルって、どうして“どっちが電気を送るか”わかるの?──見た目そっくりだけど、中身で決まるお話

こんにちは。Sol@です。
パソコンとスマートフォンをType-C to Type-Cのケーブルでつないだとき、
当たり前のようにスマホが充電されますよね。
でもちょっと待って。
ケーブル、どっちも同じ形じゃない……?
「こっちが電気を送る」「こっちは受け取る」って、どうしてわかるの?
今回はそんな素朴な疑問に向き合って、
USB Type-Cケーブルの中で起こっている“見えないやりとり”をコトトコしてみたいと思います!
1. Type-Cは「左右対称」でも「中身は非対称」
まず、USB Type-Cの特徴はその美しい左右対称の形状。
上下どちらでも挿せるし、どっちの端子も同じように見えますよね。
でも実は、ケーブルの中では複数の線が走っていて、それぞれ役割が違います。
- 電源のための線(Vbus)
- 通信のための線(CCライン)
- データ送信用の線(D+/D-)
このうち、送電と受電のやりとりに関係しているのが「CCライン(Configuration Channel)」です。
2. 電源を決めるのは「USB Power Delivery(PD)」
Type-Cケーブルを差し込んだ瞬間、
デバイス同士が“会話”を始めます。
「私はスマホ。電池が減ってるので充電したいです」
「こちらはパソコン。ACアダプターにつながってるから電気を送れますよ」
このやりとりは、「USB Power Delivery(USB PD)」という規格によって行われていて、
どちらが「供給側(ソース)」で、どちらが「受電側(シンク)」かが決まるんです。
3. 実は、役割は“固定”じゃない!
さらに面白いのは、Type-Cのやりとりはそのときの状況によって動的に変わるという点。
- ノートPCがAC電源につながっている → パソコンが「送る側」に
- モバイルバッテリーに接続してる → パソコンが「受け取る側」になることも!
つまり、見た目の上下関係じゃなくて、「今の電源状況」で判断されるんですね。
4. ケーブルにも“できる/できない”がある?
ここで注意したいのが、ケーブルの性能です。
見た目は同じType-C to Type-Cケーブルでも、
安価なケーブルはPD(Power Delivery)に対応しておらず、通信や高出力ができない場合があります。
- 安価ケーブル:ただの「給電専用」
- 高品質ケーブル:PD通信で役割交渉が可能
→ 「充電できない!」「逆に電池が減ってる?」なんてときは、ケーブルの仕様を疑ってみるのもアリです。
5. 実は、映像やデータのやりとりも同じ仕組み
ちなみにこの“どっちが何をするか”問題、
実はディスプレイ表示(映像出力)やデータ転送でも同じように交渉されています。
- ノートPCが映像を出力するか、受け取るか
- 外付けSSDがどちらのデバイスとやりとりするか
すべてが、「最初の会話」で決まっているんですね。
6. まとめ:役割は“見た目”じゃなく“対話”で決まる
- Type-Cケーブルは「USB PD(Power Delivery)」という仕組みで送電方向を決めている
- 差し込んだ瞬間、デバイス同士が通信をして「誰が送るか」を交渉する
- 状況に応じて送電・受電の役割が変わることもある
- ケーブルの種類によっては通信できないものもあるので注意!
- 技術だけでなく、「対話で決まる」という点がちょっと人間っぽい
次にType-Cケーブルを挿すとき、
「どっちが送ってるんだろう?」って、ほんの少しだけ考えてみてください。
そしてこう思ってみてもいいかもしれません。
「あ、いまこの子たち、ちゃんと会話してるんだな」って。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました🔌🧠
それではまた、次のコトトコでお会いしましょう!