光は、どこへ行くの?居場所ないならうちに来る?

こんにちは。Sol@です。
ついにやってきました、コトトコ光シリーズ最終回! ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。
さて、前回までの問いで、光が「吸収される」ことや、「色として見える」仕組みを見てきました。 でも、ふとこんな疑問が湧きませんか?
吸収された光(光子)は、どこへ行ったの?
今回はこの問いを出発点に、エネルギーのゆくえを辿っていきましょう!
1. 光子は吸収された瞬間、“姿”を変える
まず、光子(光の粒)が物質に吸収されるとき、 それは“物質の中の電子にエネルギーを渡す”ということでしたね。
渡した瞬間、光子としての存在は終了します。 粒は、まるで「じゃあね」と言って、電子にすべてを託して消えていく。
つまり、光子は吸収された瞬間に“消える”のではなく、“変わる”んです。
2. 吸収されたエネルギーは、いろんな形に変わる
電子が光子からもらったエネルギーは、そのあとどうなるのでしょうか?
実はそのエネルギー、状況に応じてさまざまな姿に変化します。
- 熱になる(ほとんどがこれ)
- 光として再放出される(蛍光や燐光)
- 化学反応を引き起こす(光合成など)
たとえば、日向に置いた黒い服があたたかくなるのは、 光のエネルギーが“熱”に変わったから。
一方、蛍光ペンが光るのは、吸収した光の一部を“別の光”として返しているから。
「蛍光」と「燐光」ってどう違うの?
3. エネルギーは消えない。でも、散らばる
ここで科学の基本に立ち返ってみましょう。
エネルギーは、決して“消える”ことはありません。 ただ“形を変えて”いくだけ。
光のエネルギーは、 熱や運動、化学エネルギーなどに姿を変えて、 世界のどこかで“続いている”んですね。
でもその変化の過程で、 エネルギーはどんどん“使いにくい”形になっていきます。
これが「エントロピーが増える」とか、「散逸(さんいつ)」なんて呼ばれる現象。
エネルギーの“散らばり”ってなに?もう戻せないの?
エントロピーって難しい言葉だなぁ、どういう意味だろ??
4. 吸収された光は、“見えない働き”になる
つまり、吸収された光は、 私たちが直接“見る”ことはできなくなるけれど、 私たちのまわりの世界で確かに“働いて”います。
光合成で植物が育ち、 太陽で暖められた空気が風を起こし、 日光浴で私たちの体がぽかぽかになる。
それらすべては、かつてどこかで吸収された「光子のなれの果て」。
なんだか、すごくロマンチックじゃないですか?
5. まとめ
それでは今回のまとめです。これで「光シリーズ」の旅も終着点です!
- 吸収された光子は、電子にエネルギーを渡して“変身”する
- エネルギーは、熱・光・化学反応など、いろんな形になる
- エネルギーは消えないが、“散らばって”戻せなくなる(エントロピー)
- 吸収された光は、「見えないけれど確かに存在する力」として働き続けている
こうして私たちは、 “光が届いていたこと”だけでなく、 “光が吸収されたこと”によっても、世界とつながっているんです。
これで光シリーズはいったん完結ですが、 この先もSol@と一緒に、いろんな「問い」をトコトコ探していきましょう!
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!