科学

「かゆい」と「くすぐったい」はどう違うの?

sol@

──神経が伝える“不思議な感覚”の話

こんにちは。Sol@です。

蚊に刺されたあと、無性にかゆい。
でも誰かに脇腹をくすぐられると、くすぐったくて笑ってしまう。
どちらも皮膚が刺激されて起こる感覚。
でも、反応は全然違いますよね。

「かゆい」と「くすぐったい」って、何が違うの?
同じ“皮膚の刺激”なのに、なんでこんなに感じ方が違うの?

今回はそんな皮膚感覚の不思議に向き合って、
“感覚の境界線”をやさしくコトトコしてみたいと思います!


1. 「かゆい」とは、どんな感覚?

「かゆい」というのは、引っかいたり、こすったりしたくなる感覚です。

✅ どうして起こるの?

  • 虫刺され・アレルギー・乾燥・炎症などで皮膚が刺激されると、
    ヒスタミンなどの化学物質が放出されます。
  • それが感覚神経の“かゆみ専用”の神経繊維(C線維)を刺激
  • 脳に「かゆい!」と伝わることで、掻くという行動が引き起こされます。

つまり「かゆみ」は、

身体の異常や異物を排除するための“警告”システムなんです。


2. 「くすぐったい」とは、どんな感覚?

「くすぐったい」とは、笑ったり身をよじったりしたくなる“逃避反応”に近い感覚です。

✅ くすぐったさは「笑い」と「防衛」が混ざった感覚

  • 軽く触れるような刺激、特に予測できない動きに敏感に反応
  • 特に脇・首・足の裏などは、神経が集中していて、くすぐったく感じやすい
  • これは敵や虫の接触から素早く逃れるための本能では?とも言われています

3. ふたつの感覚、神経的にはどう違うの?

感覚神経の種類反応目的(仮説)
かゆいC線維(かゆみ専用)掻く・こする異物や炎症の排除
くすぐったいC線維(触覚系)+笑い中枢笑う・逃げる・身をよじる敵や虫などの“予測できない接触”への反応

どちらもC線維(遅く伝わる感覚神経)を使っているけど、
情報の処理ルートや脳の反応が違うんです。


4. 実は「くすぐったい」は2種類ある?

これはちょっと面白い話。

心理学や神経学では、くすぐったさを2種類に分けることがあります。

✅ ① 軽い触れ方で感じる「カニスマ」

→ ふいに触れられたときのくすぐったさ
逃げたくなる・ゾワッとする

✅ ② 本格的にくすぐられたときの「ガルギスマ」

→ わざとくすぐってくるような刺激
笑ってしまう・くすぐったくて苦しい

→ 「ガルギスマ」は、自分ではできない(自分で脇腹をくすぐってもくすぐったくない)

この違いから、「くすぐったさ」には社会的・感情的な要素もあると考えられています。


5. まとめ:「感覚」は、ただの反応じゃない?

  • 「かゆい」は、身体の異常を知らせるための防御感覚
  • 「くすぐったい」は、逃げたり笑ったりする防衛+社会的感覚
  • 神経は似ていても、処理される脳の場所や行動の目的が違う
  • どちらも、「自分を守る」「他者と関わる」ために進化した不思議な感覚

「かゆい」は掻きたくなる。
「くすぐったい」は笑いながら逃げたくなる。
この“似て非なる”感覚は、身体とこころが一緒に感じる“生きる知恵”なのかもしれません。

たった1つの触れられ方でも、
私たちの身体は、ちゃんとそれを“どう受け取るか”を選んでいるんですね。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました!
それではまた、次のコトトコでお会いしましょう🫧✨

ABOUT ME
Sol@
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彩の国育ち。問いを愛するレザークラフター。
「答え」より「問い」が好きなタイプです。
日常に転がる“なんでだろう?”を集めたブログ「コトトコ」を運営中。
誰かの世界が、ひとつでも広がる問いになりますように。
本が好きで、レザーをいじりながらよく考えごとをしています。
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