ビールはなぜ「大麦とホップ」なの?

~他の穀物じゃダメなの?という問いにコトトコしてみた~
こんにちは。Sol@です。
世間では「とりあえず生!」という暗号が流布していると聞きます。私はその風潮に待ったをかけ、「いや、私はハイボールで」と頑なに言い続けています(そのせいで乾杯は遅れる)。
ところで……ビールって「大麦」と「ホップ」からできているって聞いたこと、ありますよね?
でも、ちょっと考えてみてください。
同じ“麦”なら「小麦」もあるし、お米だって穀物。
それどころかトウモロコシやライ麦、ソバだって穀物です。
なのに、なぜビールは「大麦」と「ホップ」が主役なのか?
今日はそんな素朴な問いを、味わい深くコトトコしてみましょう。
1. ビールの原材料ってなに?
まず、一般的なビールの基本構成はこんな感じ:
- 水:約90%
- 大麦麦芽(モルト):糖分の元
- ホップ:苦味と香り、保存性
- 酵母:糖をアルコールに変える役割
つまり、ビールの“おいしさ”と“アルコール”は、「大麦」と「ホップ」の働きにかかっているわけです。
では、どうしてそれが「大麦」で「ホップ」だったのでしょうか?
2. なぜ「大麦」なの?
大麦がビールに選ばれた理由には、いくつかのポイントがあります。
◎ 糖化しやすい!
ビールをつくるには、まず“麦”を発芽させて、でんぷんを糖に変えやすくする必要があります。
この発芽後に乾燥させたものを「麦芽(モルト)」と言います。
大麦はこの糖化しやすさがちょうどよく、
さらに発芽のコントロールもしやすい=大量生産にも向いていたんです。
◎ 殻がいい仕事する
大麦の殻(ハスク)は、麦芽を粉砕して糖を抽出するときの“ろ過材”のような役目も果たします。
つまり、大麦は醸造にぴったりな構造をしていた、ということですね。
「麦芽」ってなんでわざわざ発芽させるの?
3. なぜ「ホップ」なの?
ビールの独特な“苦み”と“香り”を担うのが、ホップです。
実は、ホップが使われるようになったのは比較的後の話(中世ヨーロッパ)。
それ以前は、様々なハーブやスパイスで風味づけをしていたそうです。
◎ 苦味と香りが心地いい
ホップの苦味は、飲んだときの“キレ”や“爽快感”に直結します。
香りも多彩で、フルーティーなものからスパイシーなものまで、品種によって様々。
◎ 殺菌&保存性が高まる!
ホップには抗菌作用があり、ビールの保存性を高める効果もあるんです。
これは「日持ちのする飲み物」としてビールが広まるのに、大きく貢献しました。
ホップ以外のハーブでもビールは作れないの?
4. 他の穀物じゃダメなの?
結論から言うと、他の穀物でもビールは作れます。
でも、それぞれにクセや特性があって、大麦とは違ったビールになります。
◎ 小麦ビール(ヴァイツェン、ホワイトエール)
小麦を使ったビールは、泡立ちがよく、口当たりがまろやか。
バナナのような香りがすることもあります。ドイツやベルギーで人気です。
◎ ライ麦ビール(ライエール)
スパイシーで独特な香り。ライ麦パンのような風味が特徴。
◎ トウモロコシ・米ビール
アメリカではトウモロコシ、日本ではお米を使ったビールも一般的。
ライトな味わいで、喉越し重視のビールに使われています。
◎ ソバビール・ヒエビールも!
珍しいところではソバやヒエ、キビなどを使ったクラフトビールもあります。
地域性や文化が色濃く出るビールですね。
「グルテンフリー」のビールって、どうやって作ってるの?
5. それでも「大麦」が主役の理由
今でも世界中で主流なのは「大麦ビール」です。
それはやはり、味・香り・糖化のしやすさ・作りやすさのバランスが完璧だから。
まさに、「ビールに選ばれし麦」。
でも、クラフトビールの世界では“他の穀物”もどんどん使われるようになってきています。
味のバリエーションは、無限大。
だからこそ、「他の麦ビール」もどんどん試してみてほしい!
6. まとめ
- ビールは「大麦」と「ホップ」でできている
- 大麦は糖化しやすく、殻がろ過にも使えて便利!
- ホップは苦味・香り・保存性をもたらしてくれる
- 小麦、ライ麦、米、トウモロコシなど他の穀物でもビールは作れる
- でも、味や香りの面でやっぱり大麦が主役!
今日の一杯が、ちょっとだけ“味わい深く”なったら嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!