海の中で食べるって?そのまま食べたら口の中ビシャビシャやんな?

こんにちは。Sol@です。
突然ですが、あなたは「魚ってどうやってエサを食べてるの?」と考えたことがありますか?
「そんなの、パクッと口に入れるだけじゃないの?」
……そう、そうなんですけど、ちょっと待って。
魚って、エサだけじゃなくて水ごと吸い込んでるように見えませんか?
そのまま飲み込んだら、胃の中って海水でビチャビチャになっちゃうんじゃないの?
しかも、魚だけじゃない。
貝やウミウシ、タコやイカ……海の中には**“水に包まれた環境で食べる生き物”**がたくさんいます。
そんな彼らは、どうやって「海水」と「ごはん」をちゃんと分けてるんでしょうか?
今回は、そんなちょっと不思議な問いにコトトコしてみましょう!
1. 魚の食べ方ってどうなってるの?
吸引摂食という技
まずはおなじみの魚から見てみましょう。
淡水魚のバスやブルーギル、海水魚でもハタやアジのように**「バフッ!」と音がしそうな勢いでエサを吸い込む魚たち**。
この食べ方は「吸引摂食」と呼ばれています。
口を急速に開けることで口腔内の圧力を下げ、
周囲の水と一緒に獲物を“吸い込む”のです。
Kototoko Point
なぜ圧力が下がると水が吸い込まれるの?
じゃあ水はどうなるの?
エサと一緒に吸い込まれた海水は、そのまま胃に入るわけではありません。
魚の体には「鰓(えら)」という装置があり、水だけを外に排出する役割を担っています。
口 → 咽頭(のど) → 食道 or エラ
このように、水はエラへ、エサは胃へと仕分けされていくわけです。
つまり、魚は“水とごはんをちゃんと分けている”!
Kototoko Point
エラって呼吸のためだけじゃないの?食事にも関わってるの?
2. 胃液は水に弱い?
魚も「胃液」を持っている種類がほとんどです。
胃酸(塩酸)やペプシンなどの消化酵素を使って、しっかりエサを分解しています。
胃液は酸性なので、水で薄められると消化力が落ちてしまう。
そのため、なるべく胃に水が入らない構造になっていると考えられています。
ちなみに、胃を持たない魚もいる(コイなど)ので、すべてがこのスタイルというわけではありません。
Kototoko Point
胃のない魚はどうやって消化してるの?
3. 魚以外の生き物はどうしてる?
ここからが本題。
魚以外の海の生き物たちは、どうやって「水とごはん」を扱っているのでしょうか?
3-1. 二枚貝:水と一緒に吸って、ろ過する
アサリ、ハマグリ、ホタテなどの二枚貝は、鰓(えら)に似た構造を持って水中の微生物や有機物をろ過して食べる「濾過摂食(ろかせっしょく)」スタイル。
- 入水管から水を吸う
- 鰓でプランクトンを粘液に絡めてまとめる
- まとめた“ごはん”を口へ送る
- 残りの水は出水管から外へ
つまり、水そのものは胃に行かない。
彼らは「お茶の茶こし」のように水からエサだけを抽出しているんですね。
Kototoko Point
なぜ“粘液”でまとめるの?どんな成分なの?
3-2. ウミウシ:水はいらない。相手を削る!
ウミウシたちはラドゥラと呼ばれるヤスリ状の歯舌を持っていて、
海綿やイソギンチャクなどを削って食べるスタイル。
- 獲物に近づく
- ラドゥラでけずる
- 細かくなったごはんを飲み込む
吸引もろ過もしないから、そもそも海水を大量に飲み込む必要がないんです。
Kototoko Point
ラドゥラってどんな形?ほかの生き物にもあるの?
3-3. タコやイカ:かみ砕いて“選んで食べる”
タコやイカは捕食者でありながら、非常に丁寧な食事スタイル。
- 餌をつかむ(触腕)
- くちばしのような「カラストンビ」でかみ砕く
- 消化に適した大きさにしてから胃へ送る
これもまた、「水ごと丸飲み」ではなく、ごはんだけを取り出して食べる方法です。
4. 水と一緒に生きる、ということ
陸の上では、「口を開ければ空気しか入ってこない」。
でも海の中では、全方位が水。その中で生き物たちは、
- ごはんと水を分ける
- 効率的に消化する
- 呼吸と食事を両立する
といった課題に、何万年もの進化で対応してきたんですね。
水中で「食べる」というのは、思っている以上に高等な技だったのかもしれません。
Kototoko Point
水中での食事と陸上での食事、どっちが難しい?
5. まとめ:海のごはん事情、意外と繊細!
- 魚はエラで水を外に出し、エサだけを胃へ送っている
- 胃液が薄まらないように、そもそも水は胃に行かないよう工夫されている
- 二枚貝はろ過、ウミウシは削る、タコは選んでかむ
- 「水中で食べる」というのは、実は高度なサバイバル術!
最初は「魚、海水ごと飲み込んで胃液大丈夫なの?」から始まったこの旅。
気がつけば、魚だけでなく、**いろんな生き物たちの“ごはんの知恵”**をのぞくことができました。
次にお刺身やアサリのお味噌汁を食べるとき、
ちょっとだけ彼らの食事スタイルを思い出してみてください。
海の中で「食べる」ということ。
それは、世界にあふれる“知恵”のかたちの一つなのかもしれません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!