ネコと魚、ほんとうにそんなに仲良しなの?

こんにちは。Sol@です。
突然ですが、あなたは「ネコ=魚好き」ってイメージ、ありますか?
あるでしょ?
アニメでも絵本でも、ネコはサンマをくわえていたり、魚の骨に目をキラキラさせていたり。
「魚のかたちのネコのおやつ」なんてものもよく見かけますよね。
でもここで、ふと立ち止まりたくなったんです。
「ネコって、本当に魚が好きなの?」
……というよりも、そもそも「なんでそんなイメージが定着したの?」
というわけで、今回のコトトコは
「ネコと魚の関係って、いつからそんなに親しかったの?」
そんな素朴な問いを一緒に追いかけてみましょう!
1. 野生のネコは魚を食べる?
まず、原点に戻ってみましょう。
ネコの祖先とされるのは、中東〜アフリカの乾燥地帯に住んでいた「リビアヤマネコ」だとされています。
この子たち、川辺や海辺に住んでたわけではないので、魚を食べる習慣はなかったんです。
↓リビアヤマネコ

ネズミ、トカゲ、小鳥……つまり小動物を狩って生きる肉食獣。
水辺に住んでいないし、水そのものがあまり得意じゃない。
ましてや水中に飛び込んで魚を狩る……なんて、ちょっと想像しづらいですよね。
ネコちゃんが寒さに弱いのって……もしかして!?
2. 日本で定着した「ネコ=魚好き」説(+海外との違い)
では、なぜ私たちは「ネコ=魚が好き」というイメージを持っているのでしょう?
これはどうやら、日本という国の食文化と深く関係があるようなんです。
日本では、仏教の影響もあって昔から「肉」よりも「魚」をよく食べてきました。
特に江戸時代以降は、庶民の食卓に魚がどんどん登場。
さらに、ネズミを退治してくれるネコは、当時の庶民にとっても大事な家族の一員。
そのネコに、おこぼれの“魚のアラ”を与えるということが自然と習慣になっていったんです。
つまり……
「人間が魚を食べる文化」→「ネコにも魚をあげる」→「ネコ=魚好き」という連想が生まれたというわけ。
しかし、ここでちょっと外に目を向けてみましょう。
実はこの「ネコ=魚好き」というイメージ、日本独特のものかもしれません。
例えば、欧米では「ネコはミルクが好き」というイメージの方が強い傾向があります。
ミルクをなめる子ネコのイラストや写真、見たことある方も多いのでは?
また、イギリスやアメリカのアニメ・絵本では、ネコが盗もうとする食べ物といえば「お肉」や「ハム」だったりします。
魚よりも、むしろ肉類の方が“ごちそう”という感覚なのかもしれませんね。
3. 絵や物語がイメージを加速させた
このイメージがより強くなったのは、メディアの力もあります。
江戸時代の浮世絵や昭和の絵本、アニメなどでは、
「魚をくわえるネコ」は“わかりやすい記号”としてたびたび描かれてきました。
例えば、ネコが盗んだ魚を大慌てで追いかける魚屋さん。
あるいは、お皿の上の魚をじーっと狙うネコ。
そういうシーン、どこかで見たことありませんか?
このように「ネコ=魚」は、視覚的に“らしさ”を表すアイコンとして日本で定着していきました。
一方で、欧米ではネコがクリームの瓶を倒してミルクを舐める描写などがよく使われ、
「ネコらしさ」の表現にも文化の違いがにじみ出ているんです。
他にも「らしさ」がある動物って何かな??
4. 本当に魚が好きなネコはいるの?
……で、実際のネコってどうなの?って話ですが。
はい、魚が好きなネコも、います。
でも、全員じゃないんです。
ネコの味の好みは個体差が大きくて、
中には「鶏肉が好き」「チーズが好き」「魚は苦手」という子も。
実はネコにとって魚は、栄養バランス的には注意が必要な食材でもあります。
例えば、生の魚をたくさん食べるとビタミンB1欠乏症になる可能性があるとか。
だからこそ、現代では「総合栄養食」としてのキャットフードが主流になっているんですね。
5. まとめ:ネコと魚の関係って?
さて、今日のコトトコを振り返ってみましょう!
- ネコの祖先は魚を食べる習慣がなかった
- 日本の食文化(魚中心)が「ネコ=魚好き」のイメージをつくった
- メディアがそのイメージを加速・定着させた
- 実際のネコは魚好きとは限らず、好みはバラバラ
- 海外では「ミルク好き」「肉好き」なネコ像も一般的
つまり、「ネコは魚が好き」というのは、文化と記号の合作だったんですね。
そして、こうした“当たり前のイメージ”こそ、実は問いがいがあるもの。
ネコに限らず、
「◯◯は××が好き」というイメージって、ほんとに本当?
と問い直してみると、身近なものがもっと面白く見えてくるかもしれません。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!
それではまた、次のコトトコでお会いしましょう🐾