「金行」じゃなくて「銀行」。「金座」じゃなくて「銀座」。……なんで!?

こんにちは。Sol@です。
皆さんはお金、好きですか?
私はですね、どちらかと言えば大好きです。お金にまみれて生きていきたい程度にはお金が好きです。
ただですね、最近ふと気になったことがあります。それはいつもの通り銀行の残高を見て一喜一憂していた時の事でした。
「銀行」って、なぜ“銀行”なんでしょう?
お金を扱うなら「金行」でもいい気がしませんか?
それだけじゃありません。
通貨を鋳造していた「銀座」、対になる「金座」もあったのに、なぜ有名になったのは“銀”の方だけだったのか?
「お金といえば“金”でしょ?」という常識に、ちょっとだけクエスチョンを投げかけてみたくなったのです。
というわけで今回のコトトコは、
「なぜ“金”じゃなくて“銀”が名前に残ったのか?」
という問いをテーマに、歴史と経済のミステリーを旅してみたいと思います!
1. 「銀行」っていつからあるの?
まずは言葉の意味をたどってみましょう。
「銀行(ぎんこう)」という言葉が日本で使われ始めたのは、明治時代のはじめ。
それまで日本には「銀行」という制度はなく、両替商や豪商たちが似たような役割を担っていました。
この「銀行」という言葉、実は中国から来た和製漢語で、英語の「Bank(バンク)」を訳した言葉なんです。
じゃあなぜ「金行」じゃなかったの?
なぜ「銀」という字が使われたのか?
この鍵を握っているのが、“江戸時代の通貨システム”なんです。
他に和製漢語の言葉はどんなのがあるかな??
2. 江戸時代には「金」と「銀」が共存していた?
江戸時代の日本では、実は通貨が三つに分かれていました。
- 金貨(両):主に江戸を中心とする上方で使用
- 銀貨(匁):商取引で広く流通
- 銭(文):庶民の細かい支払い用
このうち、商取引の中心にあったのが「銀」だったんです。
つまり、「お金」といっても“商売で動くお金”は銀本位制に近い運用がされていたんですね。
どうして金より銀の方が使われてたんだろう??
3. 「銀座」が有名になった理由
江戸幕府は通貨の安定を保つため、「金座」「銀座」と呼ばれる役所を設置しました。
- 金座:金貨の鋳造を担当(日本橋本石町あたり)
- 銀座:銀貨の鋳造を担当(現在の中央区銀座あたり)
本来は両方重要な施設だったはずなのに、なぜ「銀座」だけが地名として残ったのでしょうか?
これにはいくつか理由があります。
- 江戸の発展とともに、銀座は商業地として再開発され、町人文化が花開いた
- 明治時代の火災をきっかけに西洋風の都市改造が行われ、“ハイカラな街”として再ブランディングされた
- 銀座は「銀のようにきらびやか」というイメージにマッチした
つまり、「銀」という語感のイメージ戦略もあって、銀座は“日本一の繁華街”として生き残ったというわけです。
4. 銀=お金の象徴だった時代
さらに掘ってみましょう。
実は、近代化が進むまで日本では「金より銀」の時代が長く続いていました。
- 世界の貿易でも「銀」が中心だった(たとえば中国との貿易では銀が主力)
- スペインが南米で大量の銀を採掘し、東アジアに流通させていた(アカプルコ貿易)
- 日本も銀山(石見銀山など)で栄えた時期があり、世界的な銀輸出国だった
このように、「銀=通貨の基本単位」という感覚が江戸時代の人々にはあったんです。
つまり、「銀行」の“銀”は、当時のリアルを反映していたとも言えます。
じゃあ逆になんで銀から金に価値が映っていったんだろう??
5. 「金」じゃなく「銀」が選ばれた理由まとめ
ここまでの話を整理してみましょう。
なぜ「銀」が使われた? | 理由 |
---|---|
銀貨が商業の中心だった | 実用性が高かったから |
銀座が繁華街として定着した | ブランド戦略&偶然の歴史 |
明治初期に「銀行」が誕生したとき | 「銀=貨幣」という感覚が強かった |
国際的にも銀が主流の時代だった | 日本の経済感覚に合っていた |
つまり、「銀」のほうが私たちの生活や商業活動と密接だったからこそ、言葉としても根付いたんですね。
今でこそ“金”の方が高価で特別感があるけれど、時代によってお金の価値観は変わる。
そして言葉は、その時代の価値観を写す鏡でもあるんです。
6. 最後に
私たちが日常的に使っている「銀行」という言葉。
そこには、日本の通貨史や世界経済の流れ、さらには言葉のブランディングまでもが詰まっていることがわかりました。
こうして見てみると、「なんで“金行”じゃないの?」という小さな問いが、思わぬ広がりを持って世界とつながっていたんですね。
あなたの周りにある“当たり前”も、実は面白いストーリーが隠れているかもしれません。
それではまた、次のコトトコでお会いしましょう!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!